2013/04/26


昼間UFOを見た。

・・・。

現代の研究者たちはUFOではなく「UAO=未確認空中現象」と呼んでいるそうだが、呼び方はともかく得体の知れない飛行物体。前に見たのが忘れもしないサッカー部の合宿の夜だから、かれこれ三十余年ぶり。

今日のは白く光る物体だった。光ると言っても発光しているのではない。白い琺瑯のボウルを伏せた感じ。形も色もだ。てんとう虫のような、とそのときは思った。少しこちらに傾いており、手前の縁に筋が見え、伏せたボウルの下に少しふくらみがあってそこは陰になっていた。

それが、見えたと思ったら、ビュッ!という速さで真横に短く飛び、雲の中に消えた。視界に捉えた瞬間は飛行機の機体の反射かと思ったものが、形を捉えた途端にビュッと動いて雲に吸い込まれたので「え?」と思ったのだ。

合宿の夜に見たアレじゃなくて、小学校六年の運動会の日に見たアレだ。アレは雲から出たり入ったりした。上に、左横に、素早く、直線的に。それを今でも昨日のことのように覚えているから、もしかしたら今日も……としばらく注視していたけれど、そんなことはなかった。

ただのヘリウム風船(か何か)かもしれない。でも、そうではない気もする。
なぜならそれは雲の合間に消えたのだが、果たしてそれほどの高空にある風船(か何か)が、ぼくの目に質感や輪郭までくっきりと見えるだろうか。いつも見ている飛行機の大きさから考えても、気球か飛行船ぐらいの大きさがないと見えないのではないか。もし風船(か何か)がぼくの肉眼で見えるほど大きかったとしても、雲は右から左にゆっくり流れているのに、その雲の中を急激な速さで左から右に飛ぶということがあるだろうか、と思うからだ。

いい歳こいて何をと思う。だがそれでいい。
かの井上円了師は、不思議なことを不思議がる人の心のはたらきこそが不思議でおもしろいとおっしゃっていたそうだが、まさしくその通りだ。

今日のことは、帰り道にみたヤコブの梯子とあわせて、永く記憶しておきたい。