2013/04/11


昨日、一匹の亀が道で轢かれていた。
大量に流れた血を見て、死んでいると思った。
自転車を脇に置き、 前に回ってみたら、
一生懸命に首を伸ばして起き上がろうとしていた。
足がわずかに空を掻いた。
助け起こしたら、 歩こうとした。
でも歩けない。力がない。
そっと手に取って、河原に連れて行った。
草の上に置いたら、落ち着いたようにおとなしくなった。
足をいっぽんいっぽん縮めた。
ぼくは、激しく割れた亀の甲羅を、できるだけ元に戻した。
もうあまり反応がなかった。
そして、まったく動かなくなった。

生/死

与えられた生をただ生きて全うする。
それができないのは不幸だ。
その不幸を招いたのは人間だから、ただひたすらに謝った。
殺すだけで何もしてやれなくてごめん。

自転車に戻ると、生々しい血痕がそこで起きたことを記していた。
それだけでは足りないと感じたので、
ぼくはこれを書いて残すことにした。


ごめんな。