2013/01/30



昨日、一匹の黒猫に会った。このあたりでは珍しく人懐こいやつで、自転車を降りて呼んだらすぐにやってきた。ふさふさの尻尾をたてて優雅に歩いてみせ、畑の縁からひょいと上がってきて何のためらいもなく足下にまとわりついた。首筋から背中を掻いてやると、気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らした。首輪はない。まだ若い女の子だ。しきりに何か話してくれるのだが、ぼくはニンゲンなのでよくわからない。猫の言葉が話せたらなあと、いつもと同じことを思うばかりだ。


" 橋の上に猫が集まって棺を囲み、自分たちの王が死んだと嘆いている。通りかかった農夫は驚いて、家に戻るなり妻にその話をする。と、暖炉わきで寝ていた飼い猫が飛び起き、ならば自分が王だと人の言葉で叫んで外へ出て行った。"


これは今日Twitterに流れてきた小さな物語。聞けばケルト民族に伝わる精霊の話だそうだ。なんとも力強く魅力的な王である。うちの猫もいつか「自分が王だ!」と叫んで家を出てゆくのかもしれない。そして昨日会ったあの子がまだ見ぬ王妃なのかもしれない。二人が出会い、結ばれた暁には、共通の知り合いであるぼくのところにやってきて、いろんな話を聞かせてくれるかもしれない。

楽しみだ。

2013/01/24



空まで含めてここは地球なのだ、ということを忘れてはいないか。

時々確認しなければならない。

とくに、うつむきがちの日々においては。



最も簡単な方法は、見上げてみること。

2013/01/16



それは小さな死なのかもしれない。

掌に乗るほどの。

それがなぜこれほどまでに重いのか。

その答えが即ち命なのだ。