2012/10/10



釣りに行った。

前回がいつだったか思い出せないほど久しぶりに。
最後はたしか横浜の海釣り公園ではないかと思うのだが、その記憶もあやふやだ。もう四年ぐらい経つ気がする。

まだアジをやってる人がいると釣具屋で聞いて港を覗いたら、横風の魚市場前で三、四人の老人がウキ釣りをしていた。エサは何か聞かなかったが、たしかにアジを狙っているのだと言っていた。
他の数人は皆、風を背中に受ける恰好でさびきやらチョイ投げやら。釣れている気配はどこにもない。

「今はちょうど魚の変わり目でダメだ」

自転車で来ていたおじさんが言った。

「朝方は釣れてたようだぞ」
「昨日は良かった」
「先週来ればなあ」
「先月まではすごかった」
「去年は良かったんだがな」

これまでに何度聞いただろう。
釣れない日の釣り師の話はどこでも同じだ。
釣り場に戻って来た、と感じた。

地震で崩れたままの岸壁から竿を出し、ちょうど二時間でイワシが二尾とボラが一尾。

今日はこれでいい。また来よう。
そう決めて、ボラを放し、小さなイワシをクーラーにしまって、竿を畳んだ。